少しずつ成長するのだ


by atthe7242

マシニスト

昨日久しぶりに一人で映画を見に行ってきたので、その感想でも書こうかなと。

ネタばれ注意!

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映画館でミステリーの映画を見たのは今回が初めてかもしれない。
この物語は、正直難解で、万人受けするものではない。

物語としてはとあらすじを書こうとしても、どこから手をつけていいものなのか、正直なやんでしまう。そもそも、この物語は時系列を元にあらすじを書くことに、いささか抵抗感を感じてしまう作品なのだ。
それでもあえてあらすじを書こうと思う。
クリスチャン・ベイル演じる機械工のトレバーが365日間眠らなかったとことから、物語りは始まる。トレバーは単調な作業を黙々と続け、平凡な生活を送ってきたはずなのだが、ある日不可解な張り紙が、自宅の冷蔵庫に張られていることを発見する。そこにはハングマンゲームが書かれており、最後に二文字「ER」とだけ書かれている。謎を解明しようと、自ら行動を起こしていくのだが、その中でアイバンと呼ばれる工場の同僚と思われる男が登場してから、トレバーの周りの不可解な現象は加速しはじめる。

アイバンは工場の誰にも見えていない。
アイバンに気をとられ、同僚の手を過って切断してしまう。
遊園地での怪しい乗り物、ルート666で体験する奇妙な感覚。

誰かが自分を落としいれようとしていると考えるようになるトレバーは、ますますその不可解な現象を解明しようと、奔走するのだがその先に見えてくるものは、トレバーに対してあまりにも重く苦しい現実だった。


要約するとこんな感じですかね。

とりあえず見所は、なんといってもクリスチャン・ベイルの「歩く骸骨」の姿。
CG等もまったく使わず、自身の減量だけでまさしく不眠症でやつれている男を演じきっている。
というか、演じきっているという言葉すら適切でないと思わせるくらい、トレバーになっている。
クリスチャン・ベイル本人は、精神的にも安定し、むしろ感覚が鋭敏になっていると話しているが、見ているものにとってまさしくその皆が連想するトレバーを、ベイルは演じきっているように感じられる。

映画を見た後、あれほど真剣に物語を振り返り、そのピースの一つ一つをもう一度再構成したのは始めての体験かもしれない。
確かに、この映画は一見ミステリーというような、カテゴリーに分類できるかもしれない。
しかし、そこにあるものは、ただの謎解きだけではなく、もっと様々な要素が絡み合ったものなのだ。
他のミステリーももちろんそういった要素を含んでいることは多々あるが、その要素的なことを前面に感じることができる映画を見たのは久しぶりだ。

また、映画全体の雰囲気もすばらしい。
音楽、映像、どれをとっても映画にのめりこまずにはいられないというくらい素晴らしいと僕は思う。

この物語の、トレバーの罪の意識からの逃亡はきっと誰もが持つものであり、そして誰もが逃れられないものだろう。そのような、事を考えさせられながらも、エンターテイメント感は失われておらず、非常に難解で重苦しい雰囲気を持ちながら、POPな印象も随所に見られる。
物語のひとつのキーワードは「分岐」だが、ストーリー的なものだけでなく、この映画全体の雰囲気からも感じ取ることができると思う。



見終わった後も、自分なりの解釈ができる場所がいくつもあり、非常にお得な感じのする、僕的にはお勧めの作品でした。
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by atthe7242 | 2005-04-02 16:22 | 日記