少しずつ成長するのだ


by atthe7242

カテゴリ:my 小説( 1 )

衝動

『「むかつく」
今日何か嫌な事があったのか。特に思い出せない。
ただ、周りの景色が歪んで見えるほど、私の心は波立っている。
中央線新宿行き、5両目の、前から二番目のドアのすぐそば。一番端の席。
いつもの指定席は確保できた。
でも、心の奥底のもやもやした苛立ちは、一向に消える様子を見せなかった。


「今日も終電だ。人身事故でもおきたら帰れないな。」などと考えていると、平日にもかかわらず、べろべろに酔っ払ったサラリーマンたちが電車に乗り込んできた。
“ガンっガンっ”とドアを意味無くけりながら、笑い、はしゃいでいるそいつらは、まるで野生の猿だった。
「・・・・。何で、気分が悪いときに限ってこんなクズどもの声を聞かなくちゃならないんだ・・。」


乗り換えの駅に電車が着く。根拠の無い苛立ちはますばかりだが、とりあえず乗り換えない事には家に着かない私は、席を立つ。
野猿達のすぐそばを通る行為は、不快だったが、あえて、こいつらのために、1mでも遠回りする事の方が、よほど不快だと思い、一番近くの、出口に近づく。

酒臭い。

最悪。




次の瞬間、俺の肩に、野猿の鞄がぶつかる。



今日は、帰れそうにないな。親への言い訳を考えなくては。



「ぶつかっといて謝らないなんて、いい度胸してるじゃねーか!」
「親の顔が見てみたいぜ。」
「早く、謝ったほうが身のためだよ~。」
駅のホームで、野猿達が俺に向かってわめいている。
まさに、野猿。でもこいつら、ボスにはなれないな。
そんな事を考えていると、思わず口元が緩んでしまう。





わめき声は、一層大きくなった。

もう、何を喋っているのか解読する事さえ不可能だ。
当然と言えば当然。猿語は俺にはわからない。


野猿の一匹が俺の胸倉をつかんだ
僕の中の温度が、どんどん冷めていく。


左目の視界が徐々に白くなってゆく。



僕は、野猿を突き飛ばす。


野猿の駆除、完了しました。



いつしか、波は凪いでいた。』






夢を見たらしい。内容は覚えていない。
こんなにすがすがしい朝は久しぶりだ。
平凡な毎日が、今日も始まる。
でも今日は何かいいことがありそうな予感だ。
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by atthe7242 | 2004-10-29 23:46 | my 小説